2020年3月21日土曜日

PLA で印刷ミスした部分をハンダゴテで修復してみた

概要

3D プリンタで印刷した場合にオーバハングや反り返り、細かい印刷などによりフィラメントがグチャグチャになることがあると思います
過去に紹介した記事ではそうならないように上手に印刷する方法を紹介しました
それでも印刷ミスすることはあります
そんな場合にどうやったら簡単に修正できないかなと思いいろいろ調べると Retouch3D という商品を見つけました
これが手に入れば一番なのですが価格も結構高くまた海外製品なので到着まで時間がかかったりします
よく見ると構造としては熱で溶かして再形成しているっぽくそれではハンダゴテはどうだろうと思い試してみました

この記事では試した結果とハンダゴテを使って PLA の印刷ミスを修正する際のポイントなどについて紹介したいと思います

使用するハンダゴテ

手元にあった白光REDを使います
またコテ先は完全にハンダ用としては使えなくなるので注意してください
自分は変えのコテ先が 1 つあったので 1 つを完全に 3D プリンタ用として使うようにしました

コテ先についているハンダをスポンジや金網で落としましょう
だいたい落ちれば大丈夫です
コゲが残っている場合は PLA を修復した場合にコゲが PLA 側に付着して印刷物が汚くなる可能性があります
事前にヤスリなどでコゲを落としておくと良いかなと思います
あとで紹介しますが自分はそれに気づかず最初に PLA を修復した際にコゲが結構付着してしまいました、、

修復するプリント物

大きさ的には 10cm ほどのレールになります
前後の部分がオーバハングでほつれているのが確認できます
これを修復してみたいと思います

作業中は要換気

先に記載しておきます
作業中は PLA を溶かすため PLA 特有にニオイが発生します
また多少の煙も出るので換気しながら行いましょう
また長時間の作業は気分が悪くなるかもしれないので適度に休憩しながら行ってください

いざ修復

どきどきですがやるしかないのでやっていきます
白光レッドは 300度あたりまで温度が上昇するので PLA はあっという間に溶けてしまいます
なので押し付ける感じではなく「撫でる」ように修復するのがポイントです

ちょっとやってみた感じ

更に気になるところを修復した感じ
このあたりで気づきましたがコゲがだいぶ付着しています、、

反対側もやっていきます
元々こんな感じだったのが

こんな感じになりました
この写真で見るとコゲのせいでひどくなっている感じもしますがほつれの部分はなくなりつるつるになっています

とりあえず 1 つ完成

まずは 1 つやってみました
コゲが気になりますがほつれはほぼなくなりました

修正後はどうやらテカテカになるようです
元のプラスチックっぽい感じではなく溶けて固まったブラスチックのようになります
もしかすると 3Dプリントのように急冷しながらやれば元の質感になるかもしれません

自分はファンを使って冷やしました

修復中は PLA がぶよぶよの状態になります
すぐに固めたい場合はファンなどを使うと簡単に固まります

ハンダゴテの温度にもよりますが先程紹介したように急冷しながらやるとキレイに仕上がるかもしれません

はみ出した部分はカッターやハサミでカットすると良い

これも経験からの判断ですが修復は PLA を溶かして平らにしているためはみ出すことがあります
はみ出した部分を元の部分にまた戻そうとすると更に溶けて今度は印刷物の本体に多大な影響をもたらすことがあります
なのではみ出した部分はもう触れずにあとでカッターやハサミでカットするほうが最終的にはキレイな仕上がりになる印象です

ちなみにカッター方式にして再度修正したら以下のようになりました

他の 3 つもやってみた

同じように失敗したレールが 3 つほどあったので同じ用に修復してみました
結果は以下の通りです

最初の修復に比べてだいぶコゲがなくなっているのが確認できます
修復中にコテ先のコゲがなくなり後でやった印刷物の修復はキレイに仕上がるようです

ブヨブヨ中は簡単に変形できる

コテでいろいろと温めていると修復部分全体がブヨブヨな状態になってきます
その間は正直手でも形を変形することができます (当然熱いですが)
その間はハサミでチョキチョキ切ることもできたので形を整えやすい気もしました
なので敢えてブヨブヨの状態を作ってハサミで一気に整形するのも手段としてはありかなと思いました

もうちょっとすごい手段としてレンジなので全体を温めて一気に整形するのもありなのかもしれません
ただドロドロになったら終わりなのであまりオススメはしませんが

修復すると造形物は小さくなる

当然ですが溶かす -> カットという流れになるので元の造形物よりは小さくなります
ジョイント部分などミリ単位で設計していた造形物の場合は修復しすぎて小さくなりすぎないように注意する必要があります

サポートや失敗したフィラメントは取っておく価値がでてきた

作業中に気がついたのですがインフィルが大きい場合にはすぐに空洞部分が出現してしまいます
そうなった場合に周りのフィラメントを再度溶かして持ってこようとすると修復範囲も広がってしまい元の造形物を更に痛めてしまう可能性が出てきてしまいます

なのでそういった場合にはサポートでいらなくなったフィラメントや失敗した造形物のフィラメントを使いましょう
具体的には穴を埋めたい部分くらいにフィラメントをカットしその上から軽くハンダゴテを押し当てて穴を埋めるようにしましょう
こうすることで元の造形物の大きさを小さくすることなく穴を埋めることが可能です

またこれが嬉しいのは失敗したフィラメントを再利用できることかなと思います
せっかく消費したフィラメントを捨てるのがもったいなと思っていたので

コテ先をカッター上のものに変更すると更にキレイに仕上がると感じた

ハンダゴテのコテ先はいろいろな形状に変更できることが多いです
例えばヒートナイフ (参考 (Zacro 6 in 1電子はんだごて セット 半田 温度調節可能(200~450℃)5個交換コテ先付き 60W 110V)) のようなものを使えば更にキレイにカットや平にできるかなと思います
自分は調べてないですが 100円ショップでもこういったコテ先が買えるかもしれません

最後に

PLA で印刷ミスした部分をハンダゴテを使って修復する方法を紹介しました
前は削って対応していましたが削るよりも簡単かつキレイにできるかもしれません
ただ修復後の質感がテカテカになってしまうのでそこは注意が必要かもしれません

機会があればコテ先を変えたり急冷しながらやってみた結果も紹介できればなと思っています
せっかく頑張って作った造形物なのでキレイにしてあげたいですね

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