2016年12月31日土曜日

TinkerCAD で作成した .stl ファイルを Cube で 3D プリントしてみた

概要

TinkerCAD というオンラインの CAD ツールがあり、これで 3D プリントに必要な .stl ファイルというもの作れます
今回は TinkderCAD で作成した .stl ファイルを 3D Systems 社が開発した Cube という 3D プリンタを使って実際に造形するところまでやってみました
また、この記事内では Cube 自体のセットアップ方法は紹介しません

環境

  • Cube (1st and 2nd gen)
  • Cube Software 2.0.0
  • Mac OS X 10.10.5

TinkerCAD でモデリング

TinkerCAD の利用にはアカウント登録が必要なので登録してください
お勉強用のチュートリアルがかなり充実しているので、まずは適当にそっちをやってみても OK です

で、今回はチュートリアルではなく、TinkerCAD でネームプレートを作成してみました
ネームプレートを 3D モデリングする手順はこちらと全く同じなので詳しくは省略しますが、ざっと以下の通りです

  1. 右ペイン「Geometric」から四角形を選択 -> 配置 -> サイズ変更
  2. 「Geometric」から半円選択 -> 配置 -> 角度修正 -> サイズ変更
  3. 半円を四角形の左右に配置するので半円をコピーして配置 -> 角度修正
  4. 四角系と半円 x 2をグループ化・・・A
  5. 「Geometric」から円柱選択 -> 穴を開けたいところに配置 -> Inspector から Hole を選択グループ化
  6. 穴が空いたら A とグループ化
  7. 「Geometric」から各種文字を選択 -> 配置
  8. 文字は穴が空くように配置 (厚さが 30mm なので下から 20mm の位置に配置、つまり 10mm の文字が彫れる) -> Hole -> 全体をグループ化

という流れになります
文字だとわかりづらいのでリンクしたサイトを見ながらやると手順を理解できると思います

作成できたら .stl ファイルをダウンロードしましょう
左上にある「Design」から「Download for 3D Printing」を選択すれば .stl ファイルをダウンロードすることができます

今回は「my_first_name_plate.stl」という名前の .stl ファイルを作成したとします

Cube Software をインストール

http://ja.3dsystems.com/shop/support/cube2/downloads
から「cube_software_mac.zip」というファイルダウンロードできます
ダウンロードできたら解凍すると「Cube_Software_Mac.dmg」というファイルが取得できるので、実行してアプリをインストールします
try_cube_icon.png

インストールできたら起動しましょう
App Store からダウンロードしたファイルでないので警告が出る場合は「アプリケーション」の一覧から右クリックで「開く」を選択してから起動してみてください
try_cube_open_app.png

こんな感じのアプリが起動すると思います

.stl ファイルを .cube ファイルに変換

変換は簡単です
左上の「Import」を選択し、TinkerCAD からダウンロードした .stl ファイルを選択します
try_cube_convert_file1.png

あとは「Build」を選択すれば .cube ファイルを保存するディレクトリを選択するダイアログが表示されるので選択します
try_cube_convert_file2.png

途中に「Heal」「Orient & Scale」「Center」とありますが、スルーで大丈夫です
( 必要であればここでも簡単なモデリングができるので調整してください )

今回は「my_first_name_plate_PLA.cube」というファイルが作成されました

.cube ファイルを USB メモリにコピー

付属の USB スティックを使用します
usb_stick.png

Mac に接続したら、直下に .cube ファイルをコピーすれば OK です
おそらくサンプルで用意されている他の .cube ファイルもあると思うので、同じところにコピーしてください

コピーできたら Mac から取り外します

※試していませんが、付属の USB でなくてもいいかもしれません

Cube の準備

Cube に電源ケーブルを接続し電源 ON をしてください
Cube 自体が起動したら USB スティックを Cube に接続します
USB のインタフェースは正面タッチパネルの横側にあります

接続できたらホーム画面から「Print」を選択します
すると USB 上にある .cube ファイルを自動で読み込んで選択できるようになっているので先ほどコピーした「my_first_name_plate_PLA.cube」を選択すれば 3D プリントが開始されます
( ファイルを選択するといきなりプリントが始まるので注意してください )

もちろんプリント台の配置や、のり (Cube Stick) を塗ったりする作業は事前に済んでいる体です
PLA 素材 (フィラメント) の設置ももちろん必要です
他にも SET GAP や Wifi 等の設定もあるので、このあたりの基本的な設定に関しては

あたりを参考にするといいと思います
「3Dプリンタ cube 使い方」とかでググっても大量に情報が出てくると思います

結果

で、今回作成できたネームプレートが以下のとおり
try_cube_ret1.jpg

土台から剥がした直後の裏面は以下の感じ
try_cube_ret2.jpg

時間は大体 18 分でできました
剥がしたあとの土台は水でキレイにのりを落とせば OK です

一番最初のプリントの出だしでいきなりグチャってなったのですが、そのまま続けました
あとで気づいたんですが、これは土台を作ってるために必ず作成されるもので、プリントが完了した後に土台とものを剥がしやすいようにしてくれてるみたいです
なので、この土台部分でグチャってなっている部分はあとでニッパとかで切り取れば OK です

で、頑張って切り取ったあとの裏はこんな感じです
try_cube_ret3.jpg

やっぱり裏をキレイにするのはかなり大変そうです
右上の方に土台用の残りカスがかなり残ってしまいました

あと作業前に気になった臭いですが、全くしませんでした
プリント時間が短かったというのもありますが、自分はそれほど気になりませんでした
これくらいの臭いなら室内で続けても大丈夫だなと思いました
でも、作業するときは換気のいい場所で行うようにしてください

最後に

今回はかなり小さいものを作成したので数十分で済みましたが、もっと大きいものだと半日とか平気でかかります
3D プリントは基本時間がかかるものですが、作成が完了したときにメールとか Slack とかで通知できるような機能があるとかなり嬉しいなと思いました

とりあえず今回の経験で 3D モデリングして実際にプリントアウトする方法は覚えたので、これからどんどん作っていきたいと思います

2016年12月30日金曜日

Ubuntu 16.04 LTS に docker をインストールしてみた

概要

タイトルの通りです
ほぼ公式通りの手順ですが、備忘録として残しておきます

環境

  • Ubuntu 16.04 LTS (4.4.0-21-generic)
  • docker 1.12.1
  • docker-compose 1.8
  • docker-machine 0.7.0

docker のインストール

sudo su -
apt-get update
apt-get install apt-transport-https ca-certificates
apt-key adv --keyserver hkp://p80.pool.sks-keyservers.net:80 --recv-keys 58118E89F3A912897C070ADBF76221572C52609D
echo 'deb https://apt.dockerproject.org/repo ubuntu-xenial main' > /etc/apt/sources.list.d/docker.list
apt-get update
apt-get purge lxc-docker
apt-cache policy docker-engine
apt-get upgrade
apt-get install linux-image-extra-$(uname -r) linux-image-extra-virtual
apt-get install docker-engine
service docker start
docker run hello-world

で問題なく動作すれば OK

docker-compose のインストール

apt install curl
curl -L https://github.com/docker/compose/releases/download/1.8.0/docker-compose-`uname -s`-`uname -m` > /usr/local/bin/docker-compose
chmod +x /usr/local/bin/docker-compose
docker-compose -v

で問題なくバージョンが表示されれば OK

docker-machine のインストール

curl -L https://github.com/docker/machine/releases/download/v0.7.0/docker-machine-`uname -s`-`uname -m` > /usr/local/bin/docker-machine
chmod +x /usr/local/bin/docker-machine
docker-machine -v

参考サイト

2016年12月29日木曜日

docker で re:dash を起動してみた

概要

docker で re:dash を動かしてみました
re:dash とは可視化ツールで定期的にクエリ (SQL など)を発行して、その結果を可視化してくれるツールです
docker-compose.xml が提供されていたので docker で起動させてみました

環境

  • Ubuntu 16.04
  • docker 1.12.1
  • re:dash 0.11.1 (revision: 4710c4193ed7aede0471db478716460d57e9cd23)

インストール

事前に docker のインストールは済ませておいてください
また、docker-compose も必要になるのでインストールしておいてください

postgres_1      | LOG:  database system was shut down at 2016-09-06 04:18:54 UTC
postgres_1      | LOG:  MultiXact member wraparound protections are now enabled
postgres_1      | LOG:  database system is ready to accept connections
postgres_1      | LOG:  autovacuum launcher started

ログの途中は省略しています
どうやら先に postgres を起動して DB のマイグレーションや初期化をしないとダメなようです

上記コマンドが途中で止まったら別のターミナルを立ち上げます

  • cd redash
  • ./setup/docker/create_database.sh

で postgres の初期化が完了します
初期化が終わったら途中で止まっているコンテナは Ctrl+c で停止して OK です

起動

  • cd redash
  • docker-compose up

で re:dash に必要な各コンテナ (redis, nginx, postgres) が起動します

この状態で http://localhost/ にアクセスすると redash のログイン画面が表示されます
デフォルトのパスワードは admin/admin でログインすることができます
install_redash_on_docker.png

ちなみに docker-compose up するとまた、ターミナルが戻ってこなくなります
re:dash を停止したい場合は、Ctrl+c で OK です
再度 re:dash を起動したい場合は、docker-compose up を実行すれば OK です
もし、クエリやダッシュボードを作成していてもちゃんと保存されているので安心してください

トラブルシューティング

うまく起動しない場合は docker を起動しているサーバの 80, 5000 が既に使われていないか確認してください
re:dash の起動に必要なポートなので既に使っているプロセスがあれば kill してから docker-compose up してください

最後に

docker を使って re:dash を使える環境を構築してみました

次回はクエリの作成から定期実行の設定、ダッシュボードの作成と基本的な可視化の設定の流れについて紹介したいと思います

re:dash はまだまだ開発段階のプロダクトなので、今回紹介したインストール方法や起動方法は、今後変わる可能性があるのでご了承ください

参考サイト

2016年12月28日水曜日

re:dash でグラフを作成してみる

概要

前回 re:dash を使える環境を構築してみました
今回は実際にグラフを作成してみたいと思います
グラフにするデータは MySQL に格納されているものとします

環境

  • Ubuntu 16.04
  • docker 1.12.1
  • re:dash 0.11.1
  • MySQL 5.6.22

※今回紹介する方法は上記のバージョン時の WebGUI となっています、バージョンアップ等で UI が変わることが予想されるので、その点はご注意ください

基本的な流れ

MySQL にあるデータを可視化するのには

  1. データソースへの接続
  2. クエリの作成
  3. スケジューリングの設定
  4. グラフの作成
  5. ダッシュボードの作成

という流れで作成することができます
すべて WebGUI から操作することができます

これ以外にも方法はあるかもしれませんが今回は上記の流れで紹介したいと思います

データソースへの接続

データソースは今回で言えば MySQL にあたるものです
いわゆるストレージになります
データソースを追加するにはまず右上のストレージマークを選択してください
redash_basic_usage_new_datasource.png

追加画面になったら「+ New Data Source」で追加します

「Name」は好きなデータソース名を入力してください
「Type」は今回「MySQL」を選択します
すると MySQL に接続するためのホストやポート、データベース名、ユーザ名、パスワードなどを設定するフォームが表示されるのでそれぞれ自身の環境にあった MySQL の情報を入力していきます
redash_basic_usage_add_datasource.png

スクリーンショットが切れてしまっていますがユーザ名の設定は一番したにあります
入力できたら一番下にある Save を選択します

なお、この画面でのデータソースへの接続テストは現時点のバージョンではできないようです

クエリの作成

次にクエリを作成します
クエリとはその名の通り MySQL に対して発行するクエリ (SELECT 文) です
re:dash ではその結果を円グラフや折れ線グラフ、棒グラフなどに可視化することができます

トップ画面左上にある「New Query」からクエリを作成します
redash_basic_usage_new_query.png

クエリを作成する画面になったら、まずデータソースを選択します
データソースは先ほど作成した MySQL に接続するデータソースを選択します
画面真ん中あたりに「Data Source」というプルダウンメニューがあるのでそこから選択します

データソースを選択すると左ペインに操作できるテーブルの一覧が表示されると思います
そしたらあとは、それらのテーブルに対して発行するクエリを作成するだけです
右ペインにクエリを入力しましょう
今回は以下のクエリにします

SELECT v1, date_time FROM sensor_data

超単純です
sensor_data というテーブルから v1 と date_time というカラムのデータを全件取得します
v1 は integer で数値が格納されたカラムで date_time は datetime 型の日時が格納されたカラムとします
「Format Query」というボタンを押すと入力したクエリをいい感じにフォーマットしてくれます
クエリの名前や説明は適当に設定すれば OK です
redash_basic_usage_build_query.png

入力できたら「Execute」しましょう
すると下ペインにクエリの結果がずらーっと表示されると思います (もちろん、対象のデータが MySQL に格納されているのが前提です)
redash_basic_usage_test_query_ret.png

ここまでできればクエリの作成は OK です

スケジューリングの設定

スケジューリングの設定とは先ほど作成したクエリをどれくらいの間隔で実行するかという設定のことです

先ほど入力したクエリの作成画面の真ん中あたりに「Refresh Schedule Never」というリンクがあるのを確認してください
ここの「Never」を選択するとスケジューリングを設定するダイアログが表示されます
redash_basic_usage_set_schedule.png

今回は 1 分おきにクエリを実行するように設定しました
もちろん DB に負荷を掛けたくないのであれば、もっと間隔を広げても大丈夫です
プルダウンから選択すると自動で保存されるので選択した☓ボタンで閉じて OK です

これでスケジューリングの設定もできました

グラフの作成

では、次にクエリの結果をグラフにしたいと思います
今回は簡単な折れ線グラフを作成してみたいと思います

「Execute」した結果の一覧のところに「+ NEW VISUALIZATION」というボタンがあることを確認してください
これを選択します
するとグラフを作成する画面になるので設定していきます

「Visualization Type」は「Chart」を選択します
「Visualization Name」は好きなグラフの名前を設定してください
「Chart Type」は「Line」を選択します
「X Column」にクエリで取得した「date_time」、「Y Column」には「v1」を設定します

一応これでグラフの最低限の設定は完了なので、右下の「Save」を選択してください
redash_basic_usage_create_graph.png

他にも X, Y 軸の細かい設定や、グラフの色の設定もできるのでお好みで調整してください

これでクエリに対して描画するグラフの作成が完了しました

ダッシュボードの作成

ダッシュボードは作成したグラフを 1 つの View にまとめて可視化するための機能です
基本的にはグラフが複数ある場合に使いますが、今回は 1 つのグラフに対してダッシュボードを作成してみます

まず、トップ画面に戻って右上の「New Dashboard」を選択します
redash_basic_usage_new_dashboard.png

するとダッシュボードを作成する画面になります
ダッシュボードの名前はお好きなものを設定してください
redash_basic_usage_set_dashboard_name.png

ダッシュボードに作成したグラフを追加するには右上の編集ボタンから「Add Widget」を選択します
redash_basic_usage_add_widget.png

「Search a query by name」にダッシュボードに追加したいクエリの名前を入力します
今回であれば「テストクエリ1」と入力します
するとクエリが選択できるので選択し、「Choose Visualization」にクエリに作成したグラフを選択します
グラフを選択できたら「Add to Dashboard」を選択しましょう
redash_basic_usage_select_your_graph.png

するとダッシュボードにグラフが追加されます
redash_basic_usage_ret_dashboard.png

最後に

re:dash の基本的な使い方を MySQL を使って紹介しました
データソースは他にも MongoDB や Google Big Query など様々なストレージに対して接続することができます

なので、re:dash はすでにそういったストレージにある程度データが溜まっているときにそれを軽く可視化したいといった場合に、かなり使えるツールだと思います

今回は紹介しませんでしたが、他にもアラート機能などがあり閾値監視みたいなことも re:dash ではできるみたいです
その辺もおいおい試せればなと思います 

あと若干気になったのはクエリを作成しまくって DB に負荷が掛かり過ぎるといったケースが容易に発生しそうなツールだと思いました
なので、実際に運用する場合にはレプリケーションや View を作成してサービスに影響がないようにするなどの考慮が必要になってくるかなと思いました
実際に運用レベルで使ったことはないので何とも言えませんが、、、

2016年12月22日木曜日

ESXi と VyOS の学習まとめ

概要

ESXi と VyOS 関連の記事をいろいろとポストしてきました
ちょっと連載チックになったのでまとめておきます

環境

  • ESXi 6.0 update 2
  • VyOS 1.1.7 (32bit 版)

この連載を一通り実施すると以下の環境を構築することができます
esxi_and_vyos_stydy_ret.png

ホスト PC に接続されている intra 部分は環境によって異なります
WiMAX2 などはルータで直接インターネットに接続されている状態になると思います

連載記事一覧

第一回

Windows 上の VirtualBox を使って ESXi 環境を構築してみた

まずは仮想化の基盤となる ESXi を構築します
スペックが要求されますが、Windows があれば構築できる手順になっています

第二回

ESXi に SSH 接続してログを確認する

構築した ESXi に SSH ログインできるようにします
ESXi 内をターミナルで操作してみましょう

第三回

VirtualBox 上の ESXi6.0 で VM を作成してみる (CentOS 編)

実際にゲスト OS を使って VM を作成してみます
最低限のストレージやネットワークの構築も行います

第四回

VirtualBox 上の ESXi 上に作成した VM をインターネットに接続する

VM をインターネットに接続してみます
VirtualBox の NAT ネットワークを ESXi に接続しスイッチを作成して VM に接続します
これで VM 上で yum コマンドなどが実行できるようになります

第五回

VirtualBox 上の ESXi 上に作成した VM に SSH ログインできるようにする

これまで ESXi のブラウザコンソールで作業していのをホストマシンから SSH ログインできるようにしてみます
VirtualBox のホストオンリーアダプタを使って実現します

第六回

VirtualBox 上の ESXi の VM に VMware Tools をインストールする方法

VM を更に便利に操作できるように VMware Tools をインストールします
インターネットに接続した VM にライブラリをインストールしディスクから VMware Tools をインストールします

第七回

ESXi6.0 の Managed Object Browser (MOB) を有効にする方法

ちょっと番外編でありますが、MOB を有効にする方法を紹介しています
この後で API 操作するための準備になります

第八回

ESXi6.0 の API を使って ESXi とか VM を操作してみる (Ruby 編)

API を使って VM の操作やスイッチ、ストレージ情報の取得を行います
Ruby を使ってプログラムしながら操作します
インフラをプログラマブルに操作する感じを体験してもらえればと思います

第九回

ESXi6.0 上に VyOS をインストールしてみた

ESXi 上に仮想ルータである VyOS をデプロイします
ESXi と組み合わせることで仮想ネットワークを強力にサポートすることができます

第十回

VyOS で VLAN ID を振ったポートグループ内に DHCP サーバを構築してみた

VyOS の DHCP 機能を試しています
ポートグループ内に作成した VM に自動で IP を付与することができるようになります

第十一回

VyOS を使って異なる VLAN ID のポートグループを相互に通信できるようにしてみた

2 つのポートグループを作成しそのポートグループ内の VM の橋渡しを VyOS に行わせます
異なる IP 帯での通信を実現することができます

最後に

一応教材っぽくなったのでまとめてみました
今後も ESXi と VyOS ネタは紹介すると思いますが、一旦区切りとしてまとめてみました
自分用の検証環境を構築したい場合や手を動かして学びたい場合には良いかなと思います

ただ、vCenter がないので VMware 製品を深く学ぶことはできないと思います
あとはマシンのスペックやネットワークをそこまでは要求していないので大規模な検証には向いていないと思います

2016年12月21日水曜日

VyOS を使って異なる VLAN ID のポートグループを相互に通信できるようにしてみた

概要

前回 1 つのポートグループを作成してその中に VyOS を立て DHCP サーバとして動作させました
今回はもう 1 つポートグループを作成し、前回とは異なる VLAN ID を付与します
そして、VLAN ID の異なるそれぞれのポートグループ同士を VyOS を使って相互に通信させてみました

環境

  • VirtualBox 5.1.10
  • ESXi 6.0 update 2
  • Windows7 Enterprise バージョン 6.1
    • Intel Core i5-5300U CPU @ 2.30GHz
    • メモリ 10GB
    • ストレージ 120GB (SSD)
  • VyOS 1.1.7 (32bit 版)

ポートグループおよび VM の作成

前回同様ポートグループと VM を作成していきます
作成方法はほぼ前回と同じなので詳細はそちらを参考にしてください
以下主要なパラメータ

  • ポートグループ: VM Network3 (VLAN ID: 3)
  • VM: vm2
    • ネットワークアダプタ1: VM Network3
    • ネットワークアダプタ2: VM Nat Network

そして新規で作成したポートグループは VyOS も所属させます
vyos は前回まででネットワークアダプタ3 まで使用しているので今回は 4 に VM Network3 を設定します

  • VM: vyos
    • ネットワークアダプタ4: VM Network3

設定完了後の vSwitch のネットワークトポロジーは以下の通りです
vyos_connected_each_vlan1.png

VyOS への設定追加

新規で追加したポートグループ用の設定を追加していきます
VyOS 上のネットワークインタフェースは eth3 になります

  • configure

で編集モードになり以下を入力します
やっていることは前回とほぼ同様です
通信出来ていることがわかりやすいように VM Network2 とは異なる CIDR のネットワークにします

  • set interfaces ethernet eth3 address ‘172.16.0.1/24’
  • set interfaces ethernet eth3 description ‘VM Network3’
  • set service dhcp-server shared-network-name VM_NETWORK_3 subnet 172.16.0.0/24 default-router ‘172.16.0.1’
  • set service dhcp-server shared-network-name VM_NETWORK_3 subnet 172.16.0.0/24 dns-server ‘172.16.0.1’
  • set service dhcp-server shared-network-name VM_NETWORK_3 subnet 172.16.0.0/24 lease ‘86400’
  • set service dhcp-server shared-network-name VM_NETWORK_3 subnet 172.16.0.0/24 start 172.16.0.2 stop ‘172.16.0.254’
  • set service dhcp-server shared-network-name VM_NETWORK_3 authoritative disable
  • set service dns forwarding listen-on ‘eth3’
  • commit
  • save

作業は大きく 3 つで「etc3 への固定 IP の付与」「DHCP サーバの設定」「DNS の参照設定」になります
コマンド実行後は commit -> save でファイルに設定を保存します

ちなみに前回のも合わせて show interfacesshow service の実行結果は以下の通りです

  • show interfaces
 ethernet eth0 {
     address dhcp
     duplex auto
     hw-id 00:0c:29:5b:8d:84
     smp_affinity auto
     speed auto
 }
 ethernet eth1 {
     address dhcp
     duplex auto
     hw-id 00:0c:29:5b:8d:8e
     smp_affinity auto
     speed auto
 }
 ethernet eth2 {
     address 172.10.0.1/24
     description "VM Network2"
     hw-id 00:0c:29:5b:8d:98
 }
 ethernet eth3 {
     address 172.16.0.1/24
     description "VM Network3"
     hw-id 00:0c:29:5b:8d:a2
 }
 loopback lo {
 }
  • show service
  hcp-server {
     disabled false
     shared-network-name VM_NETWORK_2 {
         authoritative disable
         subnet 172.10.0.0/24 {
             default-router 172.10.0.1
             dns-server 172.10.0.1
             lease 86400
             start 172.10.0.2 {
                 stop 172.10.0.254
             }
         }
     }
     shared-network-name VM_NETWORK_3 {
         authoritative disable
         subnet 172.16.0.0/24 {
             default-router 172.16.0.1
             dns-server 172.16.0.1
             lease 86400
             start 172.16.0.2 {
                 stop 172.16.0.254
             }
         }
     }
 }
 dns {
     forwarding {
         cache-size 0
         listen-on eth2
         listen-on eth3
         name-server 172.17.105.202
     }
 }
 ssh {
     port 22
 }

VM 上での作業

まずは今回新規で追加したポートグループ「VM Network3」にある vm2 が DHCP で IP を取得できるか確認してみましょう

VM Network3 側のネットワークインタフェースの設定を BOOTPROTO=dhcp にしてネットワークを再起動します
VyOS から問題なく DHCP で IP がもらえれば OK です
もらえる IP は若い順になるはずなので、今回の場合であれば 172.16.0.2 が付与されれば OK です

ルーティング情報を VM に追加する

これで「VM Network2」と「VM Network3」は仮想環境上ではリーチャビリティのある状況になりました
あとは、OS レベルでルーティングを追加してあげれば OK です
動作確認のために以下を実行しておくと良いと思います

  • vm1
    • ping 172.16.0.2
  • vm2
    • ping 172.10.0.2

異なるポートグループ内にいる VM が通信できるか確認するためのコマンドです
おそらく実行した直後は ping が通らないと思います
では、以下のルーティングコマンドを実行しましょう

  • vm1
    • ip r add 172.16.0.0/24 via 172.10.0.1 dev eth0
  • vm2
    • ip r add 172.10.0.0/24 via 172.16.0.1 dev eth0

両方の VM にルーティングを追加した直後に ping が通ることを確認できると思います

当たり前ですが、追加したルーティングをどちらか一方で削除すると ping が通らなくなることも確認できると思います

  • vm2
    • ip r del 172.10.0.0/24 via 172.16.0.1 dev eth0

最後に

VyOS を使って VLAN ID の異なるポートグループ同士を接続してみました
この状態だと基本的にポートグループ同士は全開放状態なので、SSH でも HTTP でも何でもアクセスできてしまいます
必要なポートやプロトコルだけで通信させたい場合はファイアウォールを使います
CentOS なら iptables を使ってもできますが、今回のような構成であれば VyOS のファイアウォール機能を使っても通信制御できると思います

ファイアウォール機能もそのうち試せればなと思っています

2016年12月20日火曜日

VyOS で VLAN ID を振ったポートグループ内に DHCP サーバを構築してみた

概要

前回 VyOS を ESXi 上に構築しました
今回は構築した VyOS に DHCP 機能とおまけとして DNS の参照も行ってみました

環境

  • VirtualBox 5.1.10
  • ESXi 6.0 update 2
  • Windows7 Enterprise バージョン 6.1
    • Intel Core i5-5300U CPU @ 2.30GHz
    • メモリ 10GB
    • ストレージ 120GB (SSD)
  • VyOS 1.1.7 (32bit 版)

VLAN ID を付与したポートグループの作成

まず新規でポートグループを作成します
作成したポートグループに VLAN ID を付与します
vyos_config_dhcp_and_dns1.png
とりあえず「0」以外であれば何でも OK です
仮想スイッチ「vSwitch0」は既存のものを利用します
これは VirtualBox のホストオンリーアダプタ用の vmnic から作成した仮想スイッチになります

VM へのネットワークカード追加

作成したポートグループを VM のネットワークインタフェースとして設定します
VM も既存のものを利用します
vm1 のネットワークアダプタ1 を先程作成したポートグループ (VM Network2) にします
vyos_config_dhcp_and_dns2.png

そして同じポートグループに VyOS も所属させます
vm1 と同様にネットワークアダプタ3 を新規で追加します
vyos_config_dhcp_and_dns3.png

今回の構成の vSwitch のトポロジーを見ると以下のようになっています
( VM Network2 と vm2 は今回使用しません )
vyos_config_dhcp_and_dns4.png

VyOS への設定

では、VyOS に設定を追加していきます
VM Network のネットワークを使って SSH で VyOS にログインしてください

新規ポートグループ用の IP 付与

まずは追加した VM Network2 用のポートグループ内で VyOS が通信するためのネットワークを付与します

  • configure

で編集モードになります

  • set interfaces ethernet eth2 address ‘172.10.0.1/24’
  • set interfaces ethernet eth2 description ‘VM Network2’
  • commit

IP はルータってぽく「172.10.0.1」にしています
CIDR「/24」は「/16」などでも問題ないですが、255 台以上同じポートグループに所属させることはないので、とりあえず「/24」にしておきます
description は show interfaces を実行したときにわかりやすいように付与しています
完了したら commit しましょう
これで新規で追加したネットワークアダプタ用の IP が VyOS に振られましす

DHCP 設定

次に DHCP の設定を行います

  • configure

  • set service dhcp-server disabled ‘false’
  • set service dhcp-server shared-network-name VM_NETWORK_2 subnet 172.10.0.0/24 default-router ‘172.10.0.1’
  • set service dhcp-server shared-network-name VM_NETWORK_2 subnet 172.10.0.0/24 dns-server ‘172.10.0.1’
  • set service dhcp-server shared-network-name VM_NETWORK_2 subnet 172.10.0.0/24 lease ‘86400’
  • set service dhcp-server shared-network-name VM_NETWORK_2 subnet 172.10.0.0/24 start 172.10.0.2 stop ‘172.10.0.254’
  • commit

簡単に各コマンドを説明します
まず DHCP を有効にします
次に DHCP サーバを適用するネットワークを作成します
名前は「VM_NETWORK_2」とルータの IP および CIDR は先程 VyOS 自身に付与した 172.10.0.1/24 としています
dns-server を同様に VyOS の IP に設定します (DNS の参照先はあとで再度設定します)
DHCP のリースタイムを設定します
とりあえず 86400 秒 (1日) にしていますが、好きなように設定してもらって OK です
最後に start, stop を使って DHCP サーバが振る IP の範囲を指定しています
今回はすべて DHCP 用の IP として使用するので 2 から 254 を割り当てています

これで完了です
すべて入力できたら commit します 

VM 側で動作確認

では、VM 側で問題なく DHCP として IP が取得できるか確認してみましょう
確認するゲスト OS vm1 は CentOS6 になります
ネットワークアダプタ1 に設定した VM Network2 側のイーサネットは eth0 になります
ifcfg-eth0 で静的に IP を振る設定をしている場合は BOOTPROTO=dhcp にして service network restartifdown eth0, ifup eth0 してみましょう
VyOS に指定した start, stop の範囲から IP を取得をできると思います
vm1 が正常に動作する route 情報は以下の感じになります

172.10.0.0/24 dev eth0  proto kernel  scope link  src 172.10.0.2
10.0.3.0/24 dev eth1  proto kernel  scope link  src 10.0.3.16
169.254.0.0/16 dev eth0  scope link  metric 1002
169.254.0.0/16 dev eth1  scope link  metric 1003
default via 10.0.3.2 dev eth1

eth0 を DHCP にして VyOS から IP をもらうタイミングで default gateway が 172.10.0.1 になる可能性があります
そうなるとせっかくインターネットに接続するために付けている NAT 用の通信も VyOS を通るようになってしまいインターネットに接続できなくなってしまいます
その場合は ip r del default via 172.10.0.1 dev eth0 などして削除したあとに再度 ip r add default via 10.0.3.2 dev eth1 をして default gateway を設定し直してください

動作確認として VM Network2 のポートグループ内に更に追加で VM を 1 台作成して動作確認しても良いかと思います 

おまけ (DNS サーバの参照)

今回の構成の場合 vm1 にある NAT 用のネットワークアダプタは単純に外に出るためのものなので DNS がありません
VyOS に DNS の名前解決を行わせることもできるので、VyOS から参照できる DNS サーバがある場合は設定すると良いかと思います

  • set service dns forwarding cache-size ‘0’
  • set service dns forwarding listen-on ‘eth2’
  • set service dns forwarding name-server ‘8.8.8.8’
  • commit

ちなみにこの場合は「google.co.jp」などのグローバルな名前解決は行ってくれますが LAN or イントラ内の名前解決はしてくれません
LAN or イントラ内に DNS がある場合はそちらを優先して設定したほうが良いかと思います
もちろん 8.8.8.8 にしても LAN or イントラ内の DNS サーバにしても VyOS から参照できる必要はあります

最後に

VyOS を使って VLAN ID を付与したポートグループ内に DHCP サーバを構築してみました
ESXi だけだとこのあたりの機能には手が届かないので、そのあたりを簡単にカバーできる VyOS はやはり強力なツールかなと思います
次回はもう 1 つポートグループを作成してポートグループ同士を通信できるようにしてみたいと思います

P.S
ちょっと ESXi シリーズと VyOS 紹介シリーズがだいぶごっちゃになって来たので一旦構成図を作成してまとめておきたいなと思っています

2016年12月19日月曜日

ESXi6.0 上に VyOS をインストールしてみた

概要

これまでに VirtualBox 上に ESXi6.0 を構築し Nested の仮想化環境を作成してきました
今回はその環境に仮想ルータである VyOS をデプロイしてみました

環境

  • VirtualBox 5.1.10
  • ESXi 6.0 update 2
  • Windows7 Enterprise バージョン 6.1
    • Intel Core i5-5300U CPU @ 2.30GHz
    • メモリ 10GB
    • ストレージ 120GB (SSD)
  • VyOS 1.1.7 (32bit 版)

ISO ファイルのダウンロード

執筆時点での最新の安定版を使います
環境の関係で 32bit 版を利用しています
今回は

http://packages.vyos.net/iso/release/1.1.7/vyos-1.1.7-i586-virt.iso

をダウンロードしました
ダウンロードできたら ESXi のデータストア上にアップロードしてください
first_deploy_vyos1.png

VyOS 用の VM の作成

基本は ESXi 上で VM を作成する手順と同様です

メモリは 512MB、ディスクは 8GB 設定しました
アップロードした ISO ファイルを CDROM に設定してください
ネットワークはこれまで作成してきたインターネットに接続するための NAT と SSH するためのネットワークカードを接続しましょう

first_deploy_vyos2.png

あとは OS のタイプは「Debian GNU/Linux 8 (32-bit)」を選択してください
first_deploy_vyos3.png

VM を作成できたら起動しましょう

VyOS の初期設定

とりあえず今回は

  • SSH の有効化
  • NAT および SSH 用のネットワークカードの IP を DHCP で取得する設定

を行います
ESXi のターミナルで作業を進めていきます
ログインプロンプトが表示されたらデフォルトのユーザ/パスワード (vyos/vyos) でログインしましょう

まず以下のコマンドを実行して VyOS をインストールします
まだ iso ブートなので先に OS をインストールする必要があります

  • install image

これでインストールと初期化がはじまります
「This will destroy all data on /dev/sda」の部分を Yes にします
あとは、vyos ユーザのパスワードを再設定することになるので再設定します
完了したら一旦再起動しましょう

  • reboot

DHCP の設定

今回 2 つのネットワークカードが接続されているので ip a show などを実行すると eth0 と eth1 が確認できると思います
まだそれぞれのインタフェースに IP が振れていません
それぞれ DHCP で IP を取得するように設定します

  • configure

で編集モードに入ります

  • set interfaces ethernet eth0 address dhcp
  • set interfaces ethernet eth1 address dhcp
  • show interfaces
 ethernet eth0 {
     address dhcp
     duplex auto
     hw-id 00:0c:29:5b:8d:84
     smp_affinity auto
     speed auto
 }
 ethernet eth1 {
     address dhcp
     duplex auto
     hw-id 00:0c:29:5b:8d:8e
     smp_affinity auto
     speed auto
 }
 loopback lo {
 }
  • commit
  • save

で設定することができます
commit した段階で DHCP で IP を取得しにいくと思います
save することで設定をファイルに書き出し再起動した場合でも設定が変わらないようにします

続けて SSH も有効にしましょう

  • configure

  • set service ssh port ‘22’
  • show service
 ssh {
     port 22
 }
  • commit
  • save

で OK です
これでホストオンリーアダプタ用のネットワークカードの IP (192.168.56.0/24) を使って SSH ログインできるようになっていると思います
パスワードは再設定した vyos ユーザのパスワードでログインしてください

最後に

VyOS を ESXi 上にデプロイして初期設定まで実施してみました
この後は DHCP や Firewall, NAT, VPN など試していきたいと思います

参考サイト

2016年12月17日土曜日

ESXi6.0 の API を使って ESXi とか VM を操作してみる (Ruby 編)

概要

ESXi6.0 の API を使って ESXi の操作や VM の操作をしてみました
素の API はおそらく SOAP でそのまま使うのは辛いので Ruby のライブラリを使って Ruby から操作してみました
また、ESXi の API を操作するにあたって Managed Object Browser を有効にしておくと良いと思います

環境

  • VirtualBox 5.1.10
  • ESXi 6.0 update 2
  • Windows7 Enterprise バージョン 6.1
    • Intel Core i5-5300U CPU @ 2.30GHz
    • メモリ 10GB
    • ストレージ 120GB (SSD)
  • Ruby 2.2.4p230
  • rbvmomi 1.9.4

ライブラリのインストール

  • bundle init
  • vim Gemfile
gem "rbvmomi"
  • bundle install

サンプルコード

いくつかサンプルコードを紹介します
一番はじめに「接続」を必ず行ってから各種コードを実行してください

接続

require 'rbvmomi'

vim = RbVmomi::VIM.connect(
  host: '192.168.56.103',
  user: 'your-user',
  password: 'your-password',
  insecure: 'true'
)

という感じで接続してください
host, user, password は各自の環境に併せて変更してください
HTTPS で接続しに行くので、証明書など設定していない場合は「insecure」を指定するようにしてください

ESXi のバージョン情報の取得

puts vim.serviceInstance.RetrieveServiceContent.about.fullName

データストアの一覧の取得

hosts = vim.serviceInstance.RetrieveServiceContent.rootFolder.childEntity
hosts.each {|h|
  ds = h.datastore
  ds.each {|d|
    puts d.info.name
    puts d.info.url
  }
}

vSwitch の一覧の取得

hosts = vim.serviceInstance.RetrieveServiceContent.rootFolder.childEntity
hosts.each {|h|
  ns = h.network
  ns.each {|n|
    puts n.name
    puts n.vm.count
  }
}

VM の一覧の取得

hosts = vim.serviceInstance.RetrieveServiceContent.rootFolder.childEntity
hosts.each {|h|
  vmf = h.vmFolder
  puts vmf.childEntity.count
  vmf.childEntity.each {|vm|
    puts vm.name
  }
}

VM の起動

hosts = vim.serviceInstance.RetrieveServiceContent.rootFolder.childEntity
hosts.each {|h|
  vmf = h.vmFolder
  vmf.childEntity.each {|vm|
    if vm.guest.guestState != "running"
      puts vm.name
      vm.PowerOnVM_Task.wait_for_completion
    end
  }
}

VM のステータスを見て起動中以外であれば PowerOn しています
全台パワーオンします

最後に

Ruby を使って ESXi の操作をしてみました
一部の API を使って操作しただけなので他にもできることはたくさんあります
おそらく Web Client でできることはすべてできると思うので独自の UI やツールを作ることができると思います

認証も ID/PW のみなので、簡単に使えますが権限が強いユーザだと VM の起動や停止の他に削除等の Mofity/Delete 系の操作もできてしまうので、その辺の操作をする際には気をつけてください

SOAP の通信内容が見たい場合は、接続時に debug: 'true' を追加で指定すれば確認することができます

一点注意点として、今回使用したライブラリがあまりメンテナンスされていないようです
すべての API をコールしたわけではないのでわかりませんが、もしかすると ESXi6.0 だと対応されていない API があるかもしれません

参考サイト

2016年12月16日金曜日

ESXi6.0 の Managed Object Browser (MOB) を有効にする方法

概要

ESXi6.0 の場合、デフォルトで https://esxi_server_ip/mob にアクセスすると 503 のエラーが発生します
enable_mob_errors.png

MOB は API をコールしたりするときにリファレンスとしても使えるので有効にしておくと何かと便利です

環境

  • ESXi 6.0 update 2

有効にする

今回は Web Client を使って有効にします
アクセスしたらホストの「管理」から「詳細設定」を選択します
その中に「Config.HostAgent.plugins.solo.enableMob」という欄があるので確認します
enable_mob_enabled.png

該当の項目を選択して「アクション」から「オプションの編集」を選択すると設定ダイアログが表示されるので「True」を選択し保存します
enable_mob_enabled_dialog.png

これで設定は完了です
再度ブラウザで MOB にアクセスすると以下のように有効になっていることが確認できると思います
有効にするのに ESXi の再起動は不要です
enable_mob_confirm_mob.png

最後に

ESXi6.0 で Managed Object Browser を有効にしてみました
これで API での操作も捗りそうです
今回は Web Client から操作しましたが、この操作は ESXi に SSH してコマンドで有効/無効を切り替えることも可能です

Web Client が使えるならそれが一番簡単かなと思います

参考サイト

2016年12月15日木曜日

VirtualBox 上の ESXi の VM に VMware Tools をインストールする方法

概要

過去に VM を VirtualBox の NAT アダプタを使ってインターネットに接続する方法を紹介しました
ゲスト OS はこれまで使用してきた CenOS6 を使用します
使用している CentOS は minimal インストールしたので、当然ですが、VMware Tools はインストールされていません

環境

  • VirtualBox 5.1.10
  • ESXi 6.0 update 2
  • Windows7 Enterprise バージョン 6.1
    • Intel Core i5-5300U CPU @ 2.30GHz
    • メモリ 10GB
    • ストレージ 120GB (SSD)
  • CentOS 6.8 i386 (32bit)
  • VMware Tools 10.0.6

VMware Tools のインストールディスクをマウントする

Web Client で VM の設定を開き「アクション」から「ゲスト OS」で「VMware Tools のインストール」を選択します
install_vmtools_mounting_cd.png

上記作業は VM を指定した状態で実施してください
この操作を行うと自動で VM が起動します

インストール作業

では、ログインして作業をしていきます
VM の設定は事前に済ませておいてください
条件としてはインターネットに接続できれば良いので NAT アダプタから作成したポートグループが接続されていれば OK です
ifcfg 等の設定も済ませておいてください
そのあたりも過去の記事を参考にすると良いと思います

perl のインストール

VMware Tools のインストールには perl が必要になります
今回は minimal の CentOS なのでデフォルトで perl がインストールされていません
なので、yum を使って perl をインストールします

  • yum -y update
  • yum -y install perl perl-devel

プロキシが必要な場合は以下を設定してください

  • echo 'proxy=http://your.proxy-server.me:8080' >> /etc/yum.conf

コンパイルとインストール

  • mkdir /mnt/cdrom
  • mount -r /dev/cdrom /mnt/cdrom/
  • cd /tmp
  • cp /mnt/cdrom/VMwareTools-10.0.6-3560309.tar.gz .
  • tar zvxf VMwareTools-10.0.6-3560309.tar.gz
  • cd vmware-tools-distrib/
  • ./vmware-install.pl

いろいろと質問されますが基本は全部 Enter で OK です
インストールするパスなどを設定できるので、デフォルトが嫌であれば好きなパスを設定してください 

動作確認

インストールが完了するとすでにデーモンとして起動しています

  • vmware-toolbox-cmd -v

10.0.6.54238 (build-3560309) という感じでバージョンが表示されます
あとは Web Client で確認すると「全般情報」の部分にマシンの情報が表示されるようになっていると思います
install_vmtools_ret.png

最後に

VirtualBox 上の ESXi に作成した VM に VMware Tools をインストールしてみました
perl が必要だったので yum でインストールしましたが、yum をするためにインターネットに接続する必要があるので、その事前作業が必要です

これで VM に対してできることも結構増えたので更にいじっていきたいと思っています

2016年12月13日火曜日

VirtualBox 上の ESXi 上に作成した VM に SSH ログインできるようにする

概要

前回 作成した VM をインターネットに接続できるようにしてみました
今回はホストマシンから SSH できるネットワークを構築してみたいと思います

環境

  • VirtualBox 5.1.10
  • ESXi 6.0 update 2
  • Windows7 Enterprise バージョン 6.1
    • Intel Core i5-5300U CPU @ 2.30GHz
    • メモリ 10GB
    • ストレージ 120GB (SSD)

VirtualBox へのホストオンリーアダプタの追加

まずは ESXi 用の VM にネットワークアダプタを追加します
追加するアダプタは「ホストオンリーアダプタ」を選択してください
enable_ssh_vm_add_hostonly_adapter.png

おそらく前回前々回 まで完了していればすでにアダプター 2 まで使っているので 3 を使ってください

  • アダプタ1 -> ブリッジアダプタ -> VMkernel (ESXi 管理用)
  • アダプタ2 -> NAT -> VM のインターネット接続用
  • アダプタ3 -> ホストオンリーアダプタ -> VM 接続用

になっているかと思います

プロミスキャスモードの有効化

VirtualBox のアダプタにもプロミスキャスモードの設定があるので有効にします
「高度」を選択すればプロミスキャスモードを設定することができるので今回は「すべて許可」にしておきます
enable_ssh_vm_enable_promiscuous_vb.png

vSwitch の作成

VM に接続するための vSwitch を作成していきます
「ネットワーク」->「仮想スイッチ」と進み新規で vSwitch を作成します
enable_ssh_vm_create_vswitch.jpg

プロミスキャスモードの有効化

ポイントとしてプロミスキャスモードモードを ON にする必要があります
作成した vSwitch の設定から「セキュリティ」->「無差別モード」で「承諾」を選択します
enable_ssh_vm_enable_promiscuous_mode.jpg

プロミスキャスモードを ON にしないと同一ポートグループ (VLAN ID) 内でしか通信することができません
今回の場合、ホストマシンや同一 VMkernel 上にいるマシンからアクセスするので ON にするようがあります

ポートグループの作成

作成した vSwitch 内にポートグループを作成します
「ネットワーク」->「ポートグループ」から新規でポートグループを追加します
仮想スイッチは先ほど作成したスイッチを選択します
enable_ssh_vm_create_portgroup.jpg

ポートグループにはプロミスキャスモードの設定がないので作成できれば OK です

VM へのネットワークの追加

接続した VM に作成したポートグループの追加を行います
先ほど作成した名前のポートグループを新規で追加しましょう
enable_ssh_vm_add_network_tovm.jpg

追加作業

以下は必要であれば実施してください
基本的には ESXi が動作しているサーバから SSH するのでホストマシンにアクセスできれば作業は不要です

VMkernel NIC の追加

今回は ESXi を踏み台にして作成した VM に接続するので ESXi にもホストオンリーアダプタ用の NIC (VMkernel) を作成して IP を付与しておきます
enable_ssh_vm_config_network.jpg

これで ESXi から作成した VM への疎通ができました
これを実施した場合 vSwitch の構成は以下の通りになります
enable_ssh_vm_vswitch_struct.jpg

ファイアウォールルールの確認

ESXi のファイアウォールのルールで SSH の Outgoing が有効になっていない場合は有効にしましょう
「ネットワーク」から「ファイアルール」を表示して「出力ポート」欄の「22」を右クリックして有効化してください
enable_ssh_vm_enable_ssh.jpg

OS を起動して設定

動作確認用のゲスト OS は CentOS6 になります
今回の場合 NAT がすでにあるので eth1 として追加されます
/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth1 を編集してください
以下のような感じのファイルを作成すれば OK です

DEVICE=eth1
HWADDR=00:0C:29:74:D4:89
ONBOOT=yes
BOOTPROTO=dhcp

ファイルを作成したら service netweork restart してください

動作確認

おそらく 192.168.0.0/24 台の IP が振られるので、その IP に SSH できるか確認してみてください
追加作業の VMkernel と ファイアウォールルールの設定もしていれば、ESXi から作成した VM に SSH することもできると思います

最後に

ホストマシンから ESXi 上に作成した VM に SSH できるネットワークを構築してみました
Web Client が使えるのであればターミナルが使えるので操作はできますが、ターミナルだとコピペができなかったり、キーバインドがおかしかったりとかなり操作がしづらいので、やはり SSH できるようにしたほうが良いと思います

2016年12月12日月曜日

VirtualBox 上の ESXi 上に作成した VM をインターネットに接続する

概要

前回 ESXi 上に VM を作成するところまでやってみました
しかしまだネットワークにつながっていないためライブラリのインストールなどができません
今回は VirtualBox の NAT インタフェースを使って VM をインターネットに接続してみました

環境

  • VirtualBox 5.1.10
  • ESXi 6.0 update 2
  • Windows7 Enterprise バージョン 6.1
    • Intel Core i5-5300U CPU @ 2.30GHz
    • メモリ 10GB
    • ストレージ 120GB (SSD)

VirtualBox へのネットワークインタフェースの追加

まずは ESXi 用の VM に NAT ネットワークを追加します
元々 1 つブリッジアダプターがある場合は追加で 2 つ目に NAT を追加してください
vms_on_esxi_with_internet_config_nat_adapter.png

vSwitch の作成

追加した NAT アダプタ用の vSwitch を ESXi 上に追加します
「ネットワーク」から「標準仮想スイッチの追加」を選択します
vms_on_esxi_with_internet_add_vswitch1.png

スイッチの名前はお好きなものを入力してください
先程追加した物理 NIC (今回は vmnic1) を選択してください
vms_on_esxi_with_internet_add_vswitch2.png

ポートグループの作成

次に作成した vSwitch にポートグループを作成します
「ネットワーク」から「ポートグループを追加します」を選択します
vms_on_esxi_with_internet_add_portgroup1.png

名前は何でも OK です
VLAN ID も今回は 0 で OK です
仮想スイッチには先程作成したスイッチを選択してください
vms_on_esxi_with_internet_add_portgroup2.png

VM へのネットワークの追加

VM に NIC を追加して所属させるポートグループを選択しましょう
VM の設定から「ネットワークアダプタ 1」の設定項目を先程作成したポートグループにしましょう
vms_on_esxi_with_internet_config_vm.png

設定はこれで完了です

OS を起動して動作確認

今回 CentOS6 の minimal を動作確認に使用していますが、デフォルトだと eth が自動で起動しないので手動で起動しましょう

  • ifup eth0

自動起動したいのであれば以下のような感じで設定します

  • vi /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0
ONBOOT=yes

起動して ifconfig というで 10.0 台の IP が見れれば OK です
また、ping 8.8.8.8 あたりに通信できるかも確認すると良いと思います
通信できるのが確認できれば yum install も実行できるようになっていると思います

最後に

ESXi 上の VM を NAT でインターネットに接続できるようにしてみました
が、まだ SSH でログインできる状態ではありません
やはり VM に SSH できないのは少し使い勝手も悪いので、SSH もできるように設定してみたいと思います
それに関してはまたわかったら記事にでもしようかなと