概要
知らぬ間に MyVMware からダウンロードできる VMware Integrated Container が 1.1.1 までバージョンアップしていたので検証してみました
1.1.1 から提供方式も ova になっているようです
環境
- CentOS 7.3.1611
- docker 17.05
- VMware VIC 1.1.1
VIC 1.1.1 のダウンロード
以下の URL からダウンロードできます
https://my.vmware.com/group/vmware/details?downloadGroup=VIC110&productId=648&rPId=15925
自身のアカウントで MyVMware にログイン後ダウンロードしてください
vSphere Integrated Containers 1.1.1 OVA のサイズは 2.69GB あります
ova のデプロイ
基本的な方法はこちらを参照してください
デプロイ時に必要となるディスク際は 70 GB + 4.7 GB になります
ネットワークはデフォルトだと 1 つのみ設定できます
VIC の ova をデプロイする際に必須となるパラメータは以下の通りです
- VM (Photon) に ssh ログインする際の root ユーザのパスワード
- registry の admin ユーザのパスワード
- MySQL の root ユーザのパスワード
デプロイ後の挙動の確認
ova デプロイが完了したら電源を ON にして VM を起動しましょう
設定したネットワークの IP が取得できれば起動完了です
管理画面が 2 つあり
- https://192.168.100.202:8282/ (Admiral)
- https://192.168.100.202/ (Harbor)
Admiral 側は特にログイン用の ID/PW はありません
Harbor 側は ova デプロイ時に設定した registry の admin ユーザのパスワードでログインできます
また、VM は Photon OS で動作しています
SSH でログインできるのでログインしてみましょう
docker コマンドが使えるのでコンテナの一覧を確認すると以下が動作しています
- docker ps
ONTAINER ID IMAGE COMMAND CREATED STATUS PORTS NAMES
6405166b4027 vmware/notary-photon:server-0.5.0 "/usr/bin/env sh -..." 55 minutes ago Up 55 minutes notary-server
7414d1b3852b vmware/nginx:1.11.5-patched "nginx -g 'daemon ..." 55 minutes ago Up 55 minutes 0.0.0.0:443->443/tcp, 80/tcp, 0.0.0.0:4443->4443/tcp nginx
e6ae3a5f914a vmware/harbor-jobservice:v1.1.1 "/harbor/harbor_jo..." 55 minutes ago Up 55 minutes harbor-jobservice
b6e384167707 vmware/notary-photon:signer-0.5.0 "/usr/bin/env sh -..." 55 minutes ago Up 55 minutes notary-signer
5b8ac98ebfab vmware/harbor-ui:v1.1.1 "/harbor/harbor_ui" 55 minutes ago Up 55 minutes harbor-ui
647d830a9f49 vmware/registry:photon-2.6.0 "/entrypoint.sh se..." 55 minutes ago Up 55 minutes 5000/tcp registry
4dd9ef6abaed vmware/harbor-db:v1.1.1 "docker-entrypoint..." 55 minutes ago Up 55 minutes 3306/tcp harbor-db
904b46e34f20 vmware/harbor-adminserver:v1.1.1 "/harbor/harbor_ad..." 55 minutes ago Up 55 minutes harbor-adminserver
f21e09a82015 vmware/harbor-notary-db:mariadb-10.1.10 "/docker-entrypoin..." 55 minutes ago Up 55 minutes 3306/tcp notary-db
07fa6ffcf209 vmware/harbor-log:v1.1.1 "/bin/sh -c 'crond..." 55 minutes ago Up 55 minutes 127.0.0.1:1514->514/tcp harbor-log
6ffc63081e6a vmware/admiral:ova "/entrypoint.sh" 55 minutes ago Up 55 minutes 0.0.0.0:8282->8282/tcp vic-admiral
Admiral と Harbor 用のコンテナが起動しています
また network が全部で 7 つ作成されています
- docker network ls
NETWORK ID NAME DRIVER SCOPE
816285492ff8 bridge bridge local
4b1b23d24347 harbor_harbor bridge local
848a011f52ff harbor_harbor-notary bridge local
b9a1717bb5e2 harbor_notary-mdb bridge local
091f255fbb90 harbor_notary-sig bridge local
832437bb1e05 host host local
3f9ca92ef166 none null local
どのコンテナがどのネットワークに属しているかは
- docker network inspect harbor_harbor
とかで確認できます
registry を使ってみる
registry 機能には UI とコンテナレジストリの機能があります
UI はブラウザで 443 ポートにアクセスすれば OK です
IP ベースでレジストリを使用する際には先に証明書の配置が必要なので後述の手順を先に実施しておいてください
- docker pull nginx
- docker tag nginx 192.168.100.202/library/alpine
- docker login
- docker push nginx 192.168.100.202/library/alpine
docker login 時の ID/PW は管理 UI にログインしたものと同じになります
管理 UI で確認するとイメージが push されているのが確認できると思います
registry 用の証明書の配置
一点注意点としてデフォルトだと https でデプロイされてしまいます
証明書がちゃんと設定されていないレジストリにアクセスすることはできないので、自己証明書をダウンロードして dockerd の所定のパスに配置する必要があります
自己証明書をダウンロードするには管理画面にアクセスしてログインします
そして右上の Admin -> Download Root Cert から ca.crt を取得します
取得したら docker コマンドを実行ホストに配置します
- mkdir -p /etc/docker/certs.d/192.168.100.202
- cp ca.crt /etc/docker/certs.d/192.168.100.202
Admiral を使ってみる
Admiral はコンテナホストマシンのクラスタリングを実現するための機能です
管理 UI が提供されているので https://192.168.100.202:8282/ にアクセスします
Admiral は過去に試した使い方とほぼ同じです
VCH を作成したあとに Admiral に登録すると docker swarm のように VCH をクラスタリングすることができます
VCH に関して
これはどうやら従来通りコマンドを使って作成するようです
実は、今回デプロイした ova の中には含まれていて以下のリンクからダウンロードすることができます
すると申し訳ない程度のダウンロードページに遷移し、そこから vic_1.1.1.tar.gz というファイルをダウンロードすることができます
展開すると vic-machine-linux が含まれていました
しかもダウンロードページはコンテナで動作しておらず PhotonOS VM のローカルで 9443 が LISTEN しておりそこからダウンロードできるようになっていました
何か VCH だけ除け者扱いされている感がありますが、一応バイナリをダウンロードすることはできるようです
最後に
VMware VIC 1.1.1 では Harbor と Admiral が同じ ova となって配布されていました
VCH は従来通り vic-machine を使って作成する形式となっており、まだ管理 UI から VCH を作成することはできないようです
一応バイナリは ova に含まれているのでダウンロードをできることは確認しました
触ってみた感じコンテナ技術に必要なコンポーネント (コンテナホスト、レジストリ、クラスタリングツール) が 1 つになって提供されている感じでした
VMware vSphere 環境がある方は ova を 1 つデプロイするだけですぐにコンテナ環境が構築できるので便利かなと思いました
今後は VCH の作成も UI からできるようになるかもしれません
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